約 27,126 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4139.html
前ページ次ページ異世界BASARA 異世界BASARA-46 裏口からルイズ達が出て行った後、キュルケは今の現状を考えて溜息をついた。 「困ったわねぇ……予定が狂っちゃったわ」 状況は全く良くなっていない。相変わらず矢は降り注ぎ、いつ突撃されてもおかしくなかった。 「ギーシュのワルキューレに油を取って来させようと思ったのに、ああもう!何でいなくなっちゃうのかしら」 キュルケは額に手を当てて悪態をつく。 「キュルケ殿、油が要るのか?」 と、利家がキュルケの顔を覗き込みながら言った。 そして腰に付けた瓢箪を手に取り、キュルケに見せる。 「これじゃ駄目か?」 キュルケはそれを見てアッ、と声を上げた。 そうだ、利家はいつもこれで火を吹いていた。つまり引火性のある液体が入っているという事だ。 「あなたってやっぱり役に立つわね、じゃあ入り口に向かって中身を吹いてくれる?」 利家は言われた通りに瓢箪の中身を口に含む。その間、キュルケは手鏡を覗き込んで化粧を直した。 「折角の歌劇の始まりだもの……主演女優がすっぴんじゃ……」 そう言っている最中、利家が勢いよく口から中身を吐き出した。 「しまらないわよね!!」 それに向かって、キュルケが杖を振るった。 キュルケの魔法によって液体は発火し、入り口の辺りに炎を振り撒いた。 今しがた突撃を敢行しようとした傭兵の一隊が、突然現れた炎に驚いてたじろぐ。 「名もなき傭兵の皆様方。あなた方がどうしてあたし達を襲うのか存じませんけども」 キュルケは微笑を浮かべて一礼した。 「この“微熱”のキュルケ、謹んでお相手つかまりますわ」 燃え上がる火炎と微熱の舞が始まり…… 「ああ、わしの店が……店が……燃えていく……」 そして店主は気絶した。 巨大ゴーレムの肩の上でフーケは舌打ちをした。 『女神の杵』亭の入り口から炎が噴き出し、突撃をしようとした一隊が炎に巻かれて逃げ惑っている。 「ええいもう!頼りにならない連中ね!どいてなさい!」 ゴーレムが地響きを立てて入り口に近づく。そして拳を振り上げ、入り口にそれを叩きつけた。 酒場の中でキュルケは炎を操っていた。 さらにタバサの風も手伝って、威力を増していっている。 「見た?分かった?あたしの炎の威力を!火傷したくなかったら家にお帰りなさい!」 キュルケは勝ち誇ったように笑い声を上げる。 だがそれは轟音と共に終わりを告げた。 「調子にのるんじゃないよ小娘が!!まとめて潰してやるからねっ!!」 建物の入り口が壊され、もうもうと立ち込める土煙の中にゴーレムが浮かび上がる。 そのゴーレムの肩の上に乗っているフーケが怒鳴っていた。 「あちゃあ~あのおばさんの事忘れてたわ。どうしよう」 キュルケがタバサに問い掛けるが、両手を広げて首を振っている。 どうやら自分達に打つ手はないようである。キュルケは逃げようとした。 ところが、利家がゴーレムの正面に立ち塞がった。 「何をしているのトシイエ、逃げるわよ」 しかし、利家はキュルケの言葉に首を振った。利家はさらに数歩、ゴーレムに近付いて行く。 「どきな!また私のゴーレムに吹き飛ばされたいのかい!?」 フーケは眼下に立つ利家を睨みつけながら言った。 そう……『破壊の杖』事件の時、利家は彼女のゴーレムと戦った事がある。 その時彼はフーケのゴーレムに手痛くやられているのだ。 「あの時とは違うぞフーケ」 利家は低い声で言った。その迫力に、フーケは思わず息を飲む。 「あの時は朝飯を抜いていて空腹……だが今のそれがしはさっきまで飯を食べていた。つまり……」 利家は目をクワッ!と見開き、フーケに向かって叫んだ。 「今のそれがしは……満腹だあぁぁぁぁぁーーー!!!!」 「……だからどうしたってんだこの野人があぁー!!」 フーケは叫ぶと、ゴーレムの腕の振り上げさせて利家のいる場所に一気に振り下ろした。 利家は後ろに大きく跳んで後退する。少し遅れて岩石の腕が叩きつけられた。 それを見た利家は叩きつけられたゴーレムの腕に飛び乗り、1回、2回と大きくジャンプして腕を登っていく。 3回目の跳躍でゴーレムの頭上よりも高く飛び上がった利家は、三叉槍をフーケ目掛けて振り下ろした。 「チィッ!!」 フーケは咄嗟に呪文を唱え、ゴーレムの体を使って自分の前に岩の壁を作った。それで槍を防いでいる隙に素早くゴーレムから舞い降りる。 利家は岩を叩いた反動で空中に浮いた。その利家をゴーレムは掴もうと腕を伸ばす。 「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ウィンデ」 しかし、そこにタバサの魔法「ウィンディ・アイシクル」が放たれた。 空中に現れた氷の矢がゴーレムの腕を貫き、間一髪で利家は逃げ切った。 「助かったぞタバサ」 利家は簡単に礼を言うと、再びゴーレムと対峙する。 ゴーレムは腕に氷の矢が刺さっているが、全く気にも止めていない。 (やはり一撃必殺が一番か……) 利家は、槍を握る腕に力を込めた。 力を込める利家の腕に血管が浮き上がる。 さらに足にも力が入り、利家の足元の地面にヒビが入った。そしてゴーレムが近づき、両腕を振り上げた瞬間。 「おおおおりゃああぁぁぁぁぁ!!!!」 利家は下から上へ、槍を一気に振り上げた。 槍の衝撃は大きく一気に脳天まで達し、ゴーレムの体に綺麗なヒビが縦に入る。 人の力ではない、もはや“野生の斬撃”である。 「せえええぇぇぇやっっ!!!!!」 間髪入れず、利家は槍を持ち直して横薙ぎにぶん回した。ゴーレムの体に横一直線にヒビが入る。 一時の硬直状態の後、ゴーレムは体が維持出来なくなったのか、ボロボロと崩れ落ちていった。 フーケの立っている場所に向かって。 「ちょ!ちょっと待……きゃああぁぁぁ~!!」 哀れフーケは崩れ落ちる岩に巻き込まれ、その姿が見えなくなった。 ゴーレムが崩れ去り、後には岩の瓦礫が残る。 が、しばらくすると瓦礫の中からモゾモゾとフーケが現れた。 「畜生っ!お前等……よくも私のゴーレムを!」 「あら、お似合いの姿に変わったわねぇ~お・ば・さ・ん♪」 フーケは岩や土の中から這い出してきた所為か、服は土まみれ、髪はぼさぼさに変わっていた。 だが、そんな事よりもフーケの怒りに火を付けたのは、キュルケの最後の一言だった。 「おばさんだって!?ふざけるな!私はまだ23だよ!!」 「フーケ。大丈夫だ、まだ間に合う」 「裸は黙ってろ!!!!!!」 利家の一言でフーケは怒り狂い、杖を向けた。 ゴゴゴゴゴゴ…… しかし、彼女の背後から地響きが聞こえてきた。 フーケはハッとなり、背中を冷や汗が流れる。こんな大きな音を出す人物が、彼女の記憶にあったからだ。 フーケは恐る恐る振り返る。 「……クソ、やっぱりこいつだったか……」 「…!……」シュゴー! 案の定、彼女の後ろには戦国最強と言われた男……本多忠勝が立っていた。 「土くれのフーケも年貢の納め時かしら?」 さらに前方にはキュルケ達がいる。まともに戦って勝てる状況ではなかった。 (まぁいい。時間は稼いだ……これぐらいで充分だね) フーケは挟み撃ちにされているにもかかわらず、ニヤリと笑みを浮かべる。 次の瞬間、フーケはフライで飛び上がり、忠勝の頭上高くを飛び越えた。 「!……!?!?」プルルル!バスン!! 「この辺で帰らせてもらうよ。私の仕事は済んだからね」 そう言い残すと、フーケは逃げ去って行った。 「ちょっとタダカツ、何でフーケを捕まえなかったのよ?」 「!?」バスン、バスン!! 「いいじゃないかキュルケ殿、それがし達は役目を果たしたぞ」 忠勝に詰め寄るキュルケを、利家がなだめる。 確かに利家の言う通り、囮作戦は上手くいった。 雇われていた傭兵の一派も散り散りに逃げ出していったようだ。 「……ま、それもそうね。でもここでじっと待っているのも何だし……追いかけましょう」 キュルケは髪をかき上げながら言った。 キュルケ、利家、タバサは忠勝に乗る。 「じゃあ行くわよ!タバサ、いつもの」 キュルケの言葉にタバサは小さく頷き、忠勝に呟いた。 「飛んでタダカツ」 その言葉に忠勝は「起動形態」となり、空高く飛び上がる。 ……筈だったのだが 「!?……??」バスン、バスン!!ヴィィ? 何故か忠勝は飛び上がらなかった。 「タダカツ?何で飛ばないのよ」 業を煮やしたキュルケが問い掛ける。 しかし、忠勝の体からは何か空気の抜けるような音が聞こえるだけで、一向に飛ぶ気配がなかった。 この異変に忠勝が気づいたのは、フーケを追いかけようとした時だった。 「起動形態」になろうとしてもなれないのである。 もしやさっきの3形態の同時展開が原因ではないか? 忠勝はそう考えながらも、何とか飛ぼうと頑張り続けた。 一方、ルイズ達一行の方も問題が発生していた。 停まっていたフネに半ば無理矢理に乗り込み、アルビオンに向けて出発した。 そしてフネが港を出発して朝になった頃……幸村と氏政は驚くべきものを目にする。 大陸が空に浮いている……“白の国”、アルビオンを目の当たりにしたのだ。 この光景に、幸村と氏政は驚きの声を上げ、ルイズは「驚いた?」と自慢気に話していた。 そう、ここまでは良かったのである。 「船長!右舷上方の雲中より船が接近!は、旗を掲げておりません!」 見張り員の声が甲板に響き渡り、船長の顔が青ざめた。 空賊の来襲である 前ページ次ページ異世界BASARA
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5845.html
前ページ次ページベルセルク・ゼロ 『桟橋』と呼ばれた巨大な樹木から伸びる一本の太い枝に、何本ものロープを使って帆船が吊るされていた。その帆船の舷側には翼が設けられている。そう、これはただの船ではない。空を舞う飛行船なのだ。 通称『白の国』とも呼ばれるアルビオンは巨大な浮遊大陸だ。そこに渡るためにワルドが急遽都合したその船の甲板で、船長とおぼしき初老の男が苛立たしげにパイプを吹かせた。 「いつまで待たせるんですかい? 急ぎだっていうからこっちは寝入りばなの船員を叩き起こしてまで出航の準備を整えたんですがね」 船長は吸い込んだ煙を嫌みったらしくはぁ~、と吐き出した。 ワルドはそんな船長をぎろりと睨みつける。船長は肩をすくめて「おぉ怖い」と呟いた。 ルイズはまだ乗船しておらず、自分たちが上がってきた『桟橋』の階段をじっと見つめていた。 「ルイズ」 ワルドは甲板の上からルイズの背中に声をかけた。ルイズは無言でふるふると首を振る。 「いや。私、もう少し待つわ。あいつ、言ったから。『すぐに行く』って、そう言ったから」 「だがルイズ……我々には時間があまり無い。それに、もしかすると彼はもう……」 「使い魔を信用しろって言ったのはあなたよワルド!!」 キッ、と振り向いてルイズは声を張り上げた。その目には涙をいっぱいに溜めている。 その涙がこぼれてしまわない様に、ルイズは懸命に歯を食いしばっていた。 ワルドはため息をつくと、帽子をくしゃりと押さえつけた。 「……わかった、待とう。だが、あと半刻だけだ。それまでに彼が間に合わなければ出航する……いいね?」 ルイズは返事をしなかった。代わりに一瞬俯くと、再びワルドに背を向けてじっと階段を見つめだす。 (ふぅ…まいった。妬けるね、どうも) そんなルイズの様子に、ワルドは苦笑いを浮かべるのだった。 「ちょこまかするんじゃないよ!!」 ラ・ロシェールの夜空にフーケの怒声が響く。フーケの苛立ちを表すように、フーケの操る巨大な岩ゴーレムは豪快にその腕を振るった。 地を駆けるキュルケに向かって振るわれたその腕は、もろともに岩造りの家屋を薙ぎ倒す。 「な、なんだありゃ!? 岩の巨人!?」 「ば、化け物だ!! 逃げろーーーーーッ!!」 町の人々は突然現れた破壊の権化に混乱し、寝巻きのまま家を飛び出し逃げ惑っていた。ゴーレムがところかまわず振り回す腕はラ・ロシェールの町並みを瓦礫の山に変えていく。 「む、無茶苦茶するんじゃないわよッ!! 何考えてんの!? アンタこんな真似したら死刑確実よ!?」 ゴーレムの腕をすれすれでかいくぐりながらキュルケはフーケに罵声を浴びせる。 幸い、まだゴーレムの攻撃による死者は出ていないようだが――トリステインの重要な交易港であるラ・ロシェールをこれだけ破壊してしまってはまず間違いなく縛り首だ。 「はんッ! どの道わたしは脱獄犯で縛り首決定さッ!! なら精々好きに暴れさせてもらうよ!! もっとも……捕まる気なんてさらさらないがね!!」 ゴーレムが硬く握った拳をキュルケに向かって叩きつける。直撃こそ免れたものの、その衝撃にキュルケの体は浮き上がり、瓦礫の山に突っ込んだ。 「あいたた……んもう!!」 「とどめ!!」 ゴーレムがその腕を大きく振りかぶる。瓦礫から身を起こし、頭を振るキュルケに腕を叩きつけようとして―――嫌な予感にフーケのうなじが逆立つ。フーケは背後を振り返った。 風竜シルフィードにまたがったタバサが猛スピードでフーケに迫る。 「ちぃッ!」 フーケの杖の動きにあわせ、ゴーレムは振りかぶった腕をタバサに向かって振るった。シルフィードは翼をはためかせ、ひらりとその腕をかわす。その背にしがみついたまま、タバサが杖を振る。 氷の塊がフーケに向けて射出された。ゴーレムのもう一方の腕がフーケの前に翳され、巨大な壁となってそれを弾く。 「ファイヤー・ボール!!」 キュルケも炎の玉を放ち、直接フーケを狙った。しかしそれもまたゴーレムの巨大な腕により防がれる。ゴーレムの腕にまとわりついた炎は、ゴーレムが大きく腕を一振りすると風に吹かれてかき消えてしまった。。 「やっぱり大きすぎだわこのゴーレム……もう、反則よ!!」 再び迫ってきたゴーレムの腕をかいくぐって、キュルケは毒づく。 シルフィードに乗って空を舞うタバサにも、ゴーレムの腕が二度、三度と続けて振るわれた。 ひらりひらりと軽やかにシルフィードは身をかわすが、その背に乗るタバサは歯を食いしばっている。 シルフィードの回避行動により立て続けに行われる急な旋回は、その背に乗るタバサに大きな負担をかけていた。タバサはゴーレムの射程の外まで(即ちそれはタバサの魔法の射程の外をも意味する)後退せざるをえなかった。 「本当にすばしっこい奴らだね。このままじゃキリがないわ……ん?」 住人が避難してがらんどうになった家を見て、フーケはにやりと笑った。思い付いた。ちょろちょろ逃げる害虫をぷちっと潰す方法を。 誰もいなくなった三階建ての家屋をゴーレムは両腕で挟み込む。ゴーレムはみしみしと音を立て、そのままその家を土台ごと引っこ抜いた。 「なぁッ!?」 「…ッ!!」 余りの出来事に、キュルケとタバサは目を丸くして声を失った。 ゴーレムは抱え込んだその家を頭上に振りかぶる。 狙いはさっきから足元をちょろちょろしてうっとうしい赤髪の女――キュルケだ。 「さあ、よけてみなぁッ!!!!」 ぶん、とゴーレムは勢いよくその家を投げ放った。巨大な岩の塊が猛然とキュルケに迫る。宙を舞うその家は、月の光を受けてキュルケの周囲に大きな影を落とした。 「そんな……嘘でしょ?」 キュルケは呆然と呟く。 前へ走る? 間に合わない。後ろへ走る? 間に合わない。横へ飛ぶ? 間に合わない。上へ飛ぶ? ――間に合うはずが無い! 「くッ…!」 タバサがシルフィードを駆り、全速力でキュルケのもとへ向かう。 「タバサーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」 だが、それも到底間に合わず、タバサの目の前で――キュルケの姿は巨大な瓦礫の下に消えた。 「あーはっはっはっはっはっは!!!!」 ずずん、と大地を揺るがす衝突音をバックミュージックに、フーケの哄笑が響く。 ゴーレムの肩の上で勝ち誇るフーケを、タバサはキッ、と睨みつけた。 「よくも…!」 フーケ目掛けてシルフィードが一直線に飛ぶ。振るわれるゴーレムの右腕。猛然と迫り来るソレを、腕の下をかいくぐることでなんとかかわす。 しかし、間髪入れず迫る左腕。かわすのが精一杯で、タバサはフーケとの距離を詰めることができない。 体勢を崩したシルフィードとタバサは、再びゴーレムの手の届かないところに撤退するしかなかった。 「ふふ……そのまま尻尾を巻いて逃げ出したってかまやしないよ、『雪風』のタバサ? もう十分に気は晴れた。わたしもこれからは忙しい身だ。そうそう時間もかけていられない……あんたのことは見逃してあげる」 「あなたの気が晴れても私の気が晴れない。あなたは私の大切な友達を殺した……絶対に、許さない」 「じゃあいつまでもそんなとこにいないで来なさい、羽虫。言ったでしょう? 忙しいの、わたしは」 「言われずとも」 タバサの声を合図にシルフィードは上方に向かって翼をはためかせた。風を切り裂き、シルフィードはぐんぐん上昇していく。 「ハッ! 結局逃げるのか!?」 フーケはどんどん小さくなるタバサを見上げて笑った。 ゴーレムの肩に乗るフーケが豆粒ほどの大きさに見える高さまで来て、ようやくシルフィードは上昇をやめた。 「何のつもりだ?」 怪訝そうに目を細めてフーケはタバサの姿を追う。 フーケの方からも、もはやタバサと風竜の姿は小さな点にしか見えない。 タバサは自らの位置をゴーレムの『真上』に調整すると、今度は一転、急降下を始めた。 「突撃、ってかい!?」 フーケは迫り来るタバサを視界に収めたまま、ゴーレムの腕を構えさせる。 標高が高くなれば高くなるほど気温は下がる。タバサはまるで身を切るような冷たい風に耐えながらぐんぐんシルフィードを降下させた。 (ゴーレムは人の形を模している以上、その腕の稼動範囲には限界がある) 「上から来ればゴーレムの動きを限定できると思ったかい!? あいにくだね! ゴーレムはその気になりゃあ『関節』なんて概念取っ払っちまえるのさ!!」 フーケは笑う。みしみしと音を立て、ゴーレムの肩が回りだす。その動きを誇示するように、ゴーレムは上に向かってぶんぶんと腕を振り回した。その動きは確かに人間の稼動領域を超えている。 しかしタバサは止まらない。 いよいよタバサとフーケ、二人の距離はお互いの顔を視認できるまでに近づいた。 タバサを見上げるフーケの顔には凶悪な笑みが浮かんでいる。 「叩き潰してやる!!」 フーケが杖を振り、ゴーレムで迎え撃とうとしたその刹那。 タバサはシルフィードの背を離脱した。 「なにッ!?」 「『フライ』」 シルフィードの背を飛び離れたタバサはフーケから見て右に、シルフィードはそのまま左に旋回する。 タバサの姿を視界に収めればシルフィードがフーケの死角に入り、シルフィードの姿を視界に収めればタバサの姿が死角に入る。 いかにゴーレムの扱いに長けたフーケといえど見えない相手を迎撃するのは不可能だ。 「小賢しい!!」 フーケは迷うことなくタバサを自らの正面に置いた。 「所詮あの風竜はアンタの使い魔! アンタが死に、その支配から逃れればわたしを狙う道理はない!!」 「……英断」 タバサは唇を噛んだ。 「終わりだ! 『雪風』のタバサ!! そんなへなちょこな『フライ』で私のゴーレムをかわせると思うな!!」 眼前に迫ったゴーレムの腕に、覚悟を決めたのかタバサは目を閉じた。 「万事休す」 そう呟いて目を開いたタバサは、ほんの僅かに――だが確かに、意地悪な微笑みをその顔に浮かべていた。 「……なんちゃって」 タバサは突然降下を止めて今度は逆に上昇する。タバサ目掛けて迫っていたゴーレムの腕が空を切った。 フーケは苛立ちを隠そうともせず、舌を鳴らす。 「チッ! この期におよんで、一体何のつもり……」 「はぁい♪」 聞こえるはずの無い声を、背後から聞いた。 「馬鹿な……」 思わず声を漏らし、フーケはゆっくりと振り返る。 月明かりが燃えるような赤い髪を、妖艶なその肉体を映し出す。 『微熱』のキュルケがそこにいた。 巨大な岩ゴーレムの肩の上で、キュルケとフーケが対峙する。 「ここまで近づけばあなたのゴーレムはもう役に立たないわ。まさか自分もろとも私を叩き潰すわけにはいかないものね。距離を取る? 無理よ。私、もうあなたの傍を離れるつもりはないもの」 右手に持った杖を構え、キュルケは妖しく微笑む。 「私が限定したかったのはゴーレムの動きではなく、あなたの視界。下から接近する彼女に気付かぬよう、あなたの目を上方に固定しておく必要があった」 一瞬の隙をついてシルフィードと合流したタバサは、その杖をフーケに向けている。既に詠唱は済ませており、いつでも氷の槍を撃ちだせる状態だ。 フーケはぎり、と奥歯を噛み締めた。 「『微熱』のキュルケ……アンタ、どうやってあの状態から……」 「見くびらないでちょうだい。確かに『微熱』は私の二つ名。でも、扱える魔法は何も『火』だけじゃなくってよ?」 言われてフーケは気がついた。月明かりなので分かりづらかったが、よく見ればキュルケの服や髪には所々泥が付着している。 「『錬金』…! 地面を泥に変えて……!!」 「前後左右が駄目。上も駄目。じゃあ、下しかないわよね。前にあなたが見せた錬金を参考にさせてもらったわ。でもやぁね。あなたと戦うと毎回汚れちゃう」 キュルケは泥の付着した自分の髪をつまみ、はぁ、とため息をついた。 「くっ…! だが…、『雪風』のタバサ! アンタはどうやってそのことを知った!? 私と同じく、アンタにもこの女が潰されたようにしか見えなかったはずだ!!」 納得のいかないフーケはタバサの方に向き直る。 「瓦礫の下敷きになる直前、彼女は私の名を呼んだ」 「は…? そ、それだけで……!?」 「以心伝心、ってやつよ。私たちを甘く見ないでちょうだい、『土くれ』のフーケ」 フーケは呆然と立ち尽くす。タバサはぶい、とピースサインをしてみせた。 わなわなとフーケの肩が震える。 「チェックメイトよ、フーケ。もうあなたに道は残されていない」 キュルケはフーケに語りかける。 まるで判決を告げる裁判官のように。 「杖を振り、私を魔法で仕留める? ノン、その時はタバサの槍があなたを貫くわ。では先にタバサをゴーレムで叩き伏せる? ノン、ゴーレムを動かした瞬間私があなたを小麦色に焼き上げてあげる。貫かれるか、その身を焼くか、跪くか。選びなさい、『被告人』フーケ」 フーケが伏せていた顔を上げる。観念したようにも見える表情で、フーケはくつくつと笑った。 「いいえ、『裁判官』。私にはもうひとつ取るべき道がございますわ」 「おかしな真似をすればその場で撃つわよ、フーケ」 キュルケは油断無くその杖をフーケに突きつける。もしフーケが妙な挙動を取れば即座に炎を放つ準備があった。 「ご心配なく。魔法は使わないし、私はこの場を一歩も動きませんわ」 奇妙だ。焦燥も絶望もフーケの表情からは読み取れない。 何が狙いなのか――そのフーケの様子は不気味ですらあった。 「では聞こうかしら。その行動とは何? フーケ」 「簡単ですわ。その行動とは……」 フーケはゆっくりと地面、つまり自らが立つゴーレムを指差した。 「――ゴーレムを消すこと」 フーケの言葉と同時に地面が消失した。少なくともキュルケにはそう感じられた。 ゴーレムを形作っていた岩が魔力の支えを無くし、地に落ちる。 「しまった…!」 キュルケは落下を始めた自分の体を支えるため「レビテーション」の魔法を唱えざるをえなかった。 「これでアンタの炎は消えた…! 後は……」 フーケは落下する体をぐるりと反転させた。 「後は『雪風』のタバサ、貴様だ!!」 タバサが杖を振る。落下するフーケ目掛けて氷の槍が発射された。 ゴーレムの肩の高さからまともに地面に叩きつけられては無事では済まない。 だというのに、フーケはタバサの魔法の迎撃を優先した。フーケが杖を振ると岩の塊がタバサとフーケの間に割って入り、氷の槍を受け止める。 「レビテーション」で速度を殺したキュルケよりも、シルフィードに乗って降下するタバサよりも先にフーケは地面に着地した。 「が…ぐッ……!!」 着地の衝撃でフーケの関節がぎしぎしと悲鳴を上げる。内臓系にも傷がついたか、激痛とこみ上げる猛烈な吐き気をしかしフーケは飲み込んだ。 (この痛み……二、三本はイったかもしんないねこりゃ……だけど!!) 痛みに悶える時間はない。フーケは杖を取ると、すぐに呪文の詠唱を始めた。 「逃がさないわよ! フーケ!!」 キュルケとタバサはもうすぐそこまで迫ってきている。 フーケは二人を鋭い瞳で睨みつけた。 「『微熱』のキュルケ…『雪風』のタバサ……この『土くれ』に二度も土をつけるとはね……! また大きな借りが出来た。首を洗って待っていなさい!!」 フーケが杖を振ると猛烈な砂嵐が巻き起こった。 「くっ!」 「うく…」 周囲の細かな砂粒を巻き上げ、徐々に勢力を増す砂嵐に、キュルケとタバサの目が眩む。 砂嵐がようやく止んだ時――フーケの姿はその場から綺麗さっぱり消えていた。 今や人っ子一人居なくなった『女神の杵』亭の酒場で、ギーシュ達と合流したキュルケ、タバサは勝利の祝杯を挙げていた。 「悔しいわね! 完全に追い詰めていたのに!!」 キュルケは注がれたワインを一息で飲み干すと、乱暴にグラスをテーブルに置いた。 その隣でタバサは視線を本に固定したままパラリとページを捲る。 「しょうがない。向こうの方が一枚上手だった」 「さすがに伝説の盗賊『土くれ』か……厄介なヤツを敵に回しちゃったかも、ね」 「僕としてはあの『土くれ』のフーケをたった二人で撃退したってだけでびっくりだよ。何者なんだ君たちは」 ギーシュはそんな二人の様子にやれやれと肩をすくめた。 「それよりも、これからどうする?」 キュルケがそこにいる皆の顔を見回して言った。 タバサは我関せずと本を読み進め、ギーシュは隣に立つメリッサにちらりと視線を送る。 「あ~、僕は、そうだな、今更任務には戻れないし……メリッサの世話をしてくれるっていう貴族のところまで彼女を送ろうかな、うん」 「そ、そんな! そこまでしていただくわけにはいきません!!」 ギーシュの言葉にメリッサは慌てて首を振った。 ギーシュもまた「いやいや」と首を振る。 「なに、僕が好きでやってるだけだ。気にしないでくれ」 「で、でも……」 そんな二人のやり取りを眺めながら、キュルケは二杯目のグラスを空にすると、ほぅ、とため息をついた。 「このまま学院に帰ってもダーリンがいないんじゃ退屈ねぇ……ねえ、タバサ。あなたのシルフィードでアルビオンに先回りしちゃわない? 先にアルビオンに行って、ダーリン達を待ち伏せするの」 「現時点で既に船を発進させていると思われる彼らに追いつくのは困難。何より、あの子(シルフィード)を少し休ませないと」 「ぶぅ~、つまんない……って何? どうしたのよギーシュ。ぽかんとしちゃって」 ギーシュは虚を突かれたような顔でキュルケの顔を凝視していた。 「キュルケ……今君、なんて言った?」 「な、何よ? わ、私何か気に触ること言ったかしら?」 キュルケの言葉を聞いて、ギーシュの頭の中でかちり、と何かのピースが埋まった。 フーケの姿を認めたときに覚えた違和感。その正体にギーシュは思い当たる。 フーケは酒場の入り口を壊し、自分たちの姿を認め、こう言ったのだ。 『まさかあんたらまで来るなんてね。忘れちゃいないよ。『雪風』のタバサ、『微熱』のキュルケ。このラ・ロシェールで待っていた甲斐があったってもんだ』 ――待っていた? ――待っていただと? 『土くれ』のフーケ。 何故お前は僕たちがラ・ロシェールに来ることを知っていた? ギーシュの中でカチカチとパズルのピースが埋まっていく。 これは、必要な情報の欠けたキュルケとタバサには辿り着けない、唯一この場で『鉄屑』のグリズネフと邂逅したギーシュにしか辿り着けぬ真実。 昨日、グリズネフの部下は言っていた。 『――俺昨日『ラ・ロシェール』の酒場であいつ見たぞ?』 ギーシュの思考は加速する。 つまり姫殿下がルイズの部屋を訪れたあの夜。何時ごろなのか詳しい時間は分からないが(おそらくは相当深夜だったであろうと思われるが)、既にフーケはここにいた。 誰に聞いたのだ? 僕らがアルビオンを目指してラ・ロシェールを訪れることを。 いや、そもそもあの夜の時点で僕らがラ・ロシェールを目指すことを知りえたのは誰だ? おそらくはごく少数――或いは皆無ですらあるはずだ。姫殿下自身がルイズを訪ねにわざわざ学院まで足を運んだ程だ。例え王宮の近しい者にでも知られるわけにはいかなかったのは容易にうかがい知れる。 つまり、『直接姫殿下から任務を受けた僕たち』以外に任務の内容を知るものはいないのではないか――? ギーシュはまるで電流が全身を駆け抜けたような衝撃を覚えた。 ああ、そもそも何故捕まったはずのフーケがここにいた? 決まってる。脱獄したからだ。 脱獄? あのチェルノボーグの監獄を? 何者かが手引きしたんだろう。そう考えるのが最も自然だ。 誰が? もちろん、トリステイン内の『裏切り者』だ。 『裏切り者』。突如頭の中に浮かび上がったその言葉がギーシュに例えようもない不安をもたらす。 頭の中に打ち立てられたとんでもない仮説。ギーシュはいやいやと頭を振った。 馬鹿げている。なんて馬鹿げた、それでいてひどく不誠実な考えだ。短絡的な自分の思考に笑いすらこみ上げてくる。 只ならぬギーシュの様子に見かねたキュルケは声をかけた。 「ちょっと、ギーシュどうしたの? 何か具合悪そうよアンタ。大丈夫?」 「――追うんだ」 「え?」 「ルイズ達を追うんだ!! 今ならまだ間に合うかもしれない!!!!」 自身を苛む焦燥に急き立てられるままに、ギーシュは叫ぶ。 「何を言ってるのよ!? どうしたのあんた!」 「説明してる時間も惜しい! 早く、早くしなきゃ、とんでもないことになるかもしれない!!」 「落ち着いて」 タバサが読んでいた本をぱたんと閉じた。 「どの道、すぐの出発は不可能。アルビオンまで飛ぶにはもう少しあの子に休息が必要。だから、落ち着いて」 「しかし――」 「落ち着いて」 透き通った水面のようなタバサの瞳に見つめられ、ギーシュは口ごもった。 「協力はする。だから話して。あなたの考えたことを」 「あぁ…話す、話すよ……君たちの意見も聞きたい。出来れば、この馬鹿げた考えを否定してくれ」 一度深呼吸してから、ギーシュはぽつぽつと己の仮説を話し始めた。 確かめなくては――願わくば、ただの杞憂であってくれ。 思いを胸に、今はただシルフィードの回復を待つ。 待つことしか出来ぬ歯がゆさに、ギーシュは拳を地面に叩きつけた。 しばらく時計を眺めていた船長が片眉をあげてパイプの火を消す。 「半刻経ちましたぜ、旦那」 船長の言葉にワルドは無言で頷くと、甲板を降りてルイズの傍に歩み寄った。 それでも振り向こうとしないルイズの肩をやさしく掴む。 「時間だ。行こうルイズ」 少しの間を置いてルイズは無言でこくりと頷くと、飛行船に付けられたタラップを渡り始めた。ワルドが先に立ち、ルイズの手を引いてエスコートする。 甲板に渡る最後の一歩を踏み出す前に、ルイズはもう一度だけ『桟橋』の階段を振り返った。 「馬鹿……」 ぽつりと呟いて、タラップから甲板に降りる。 「それじゃあタラップは片付けちまって構いませんね?」 「ああ、頼む」 ワルドに一応の確認を取ると、船長は数名の船員を呼びつけた。 船長の命令を受けて船員達がテキパキと船に取り付けられたタラップを片付けにかかる。 「大丈夫さルイズ。彼はきっと生きている。一度剣を交えたこの僕が保証する。彼はそんなやわな男じゃないさ」 「うん…ありがとう、ワルド」 ワルドの大きな優しい手が俯いていたルイズの頭を撫でる。ルイズはくすぐったそうに身をよじった。 「うん? 何だありゃあ?」 その時、ルイズの後ろでタラップを片付けていた船員が素っ頓狂な声を上げた。 何となく船員の目線を追ったルイズの目が大きく見開かれる。 「ル、ルイズ~~~」 へろへろになったパックが桟橋からこちらに向かって飛んできていた。 そしてその後ろには――ドラゴンころしをまるで杖のようにして歩を進めるガッツの姿もある。 「タラップ下ろして!! 早く!!」 片付けたばかりなのに、とぶつくさ言いながらも船員はすぐにタラップを架けなおしてくれた。 タラップを駆け下り、その勢いのままにルイズはガッツの胸元へ飛び込んだ。限界ギリギリの体を引きずってきたガッツはその勢いに耐え切れず尻餅をついてしまう。 「おいおい……」 ガッツが呆れたように声を出すと、ルイズはがばっと胸元に埋めていた顔を上げた。 「ばかッ!!!!」 たまらず零れ落ちた涙を拭おうともせず、ルイズは力一杯口を開いてガッツを怒鳴りつける。 「ばか、ばか、おおばか!!!! もう禁止! アンタ勝手な行動禁止!!! 勝手にわたしのそばを離れるな!! 動くときはわたしの許可を取るの!!」 「おい、あんまり揺するな。傷に響く」 「わかったの!?」 「わーった、わーった。分かったから手を離せって」 ぽかぽかと感情のままに殴りつけてくるルイズをガッツは鬱陶しそうに押しのける。 そんな二人の様子を甲板から眺めていたワルドは呆れ交じりの笑顔を浮かべていた。 「まさか、本当に間に合うとはな。つくづく大した男だ」 そう呟いて、何度も出航を遅らされてぶつぶつ文句を言っている船長に向き直る。 「待たせてすまなかったな船長。彼が乗り込んだら出航だ」 「今度こそ大丈夫なんでしょうね?」 「ああ、今度こそ大丈夫だ」 疑り深く聞いてくる船長に爽やかな笑顔で返しながら、ワルドはタラップに歩み寄る。 ちょうど数人の船員の手を借りてガッツが乗船してくるところだった。タラップを上ってくるガッツにワルドは手を差し出す。 「ご苦労だった、黒い剣士殿。貴殿のおかげで僕らは今こうして無傷で船に乗っている」 「よせよくすぐってえ。ガッツでいい」 騎士としての礼を尽くしたワルドの態度に、ガッツは顔をしかめながらその手を握る。 「なら僕もワルドでいいよ、ガッツ」 そう言ってワルドは笑った。 「出航だ!」 船長の掛け声と共に、慌ただしく船員が動き出す。 無事一行を乗せた船は今度こそ桟橋を離れ、空を舞った。 前ページ次ページベルセルク・ゼロ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1044.html
ギーシュ・ド・グラモンは敵の攻撃から身を隠しながら考えていた。 どうやってモンモランシーと仲直りできるかを必死に考えていた。浮気がばれて以来モンモランシーが口をまともに利いてくれないのだ。 しかし命の危険が間近に迫っているのになぜこんなことを考えるのか? 勿論現実逃避だ。 ヨシカゲやルイズには強気なことを言った怖いものは怖いのだ。この場で冷静に振舞えたのも現実を受け止めずにいたからに過ぎない。 わかってはいるのだ。現実逃避していてはだめだと。わかっているのだがやはり怖い。 キュルケやタバサを見ると二人とも慌てた様子もなく怯えた様子もない。むしろこれぐらいがどうしたという感じがする。 二人を見ていると突然キュルケがこちらを見る。 「ギーシュ、あなたよく冷静でいられるわね。てっきり見栄張って無茶するか怯えてビクビクするかどっちかだと思ってたんだけど」 「普段ぼくをどんな風にみてるんだい……」 図星を突かれ少し動揺する。そしてそんなに頼りなく見られていたのかと思うと悲しくなる。しょうがないじゃないか、怖いものは怖いんだ! しかしふと思い出す。 (命を惜しむな、名を惜しめ) 父の言葉だ。 そうだ、今自分が怖がってどうするんだ。死ぬのを怖がってどうする!それに女の子に守ってもらうなんて情けなさ過ぎるじゃないか! 普通男が女を守るものだろう! そうだ、まさに今この状況こそが父の言葉を、ぼくのプライドを見せ付けるときじゃないか! 「いいかい、ぼくはグラモン元帥の息子だぞ。卑しき傭兵ごときにどうして怯えなくちゃいけないんだい?」 本当は物凄く怖いに決まってる。でも今こそ父上の言葉を受け止め真の男になるんだ!ギーシュはそう思った。 「ふ~ん、案外根性あるじゃない。少し見直したわ。」 「女の子を守るのは男の役目だからね」 「期待しとくわ」 ギーシュの言葉にキュルケが笑いながら返す。そしてキュルケは杖を指で回転させ握りなおす。 「じゃあおっぱじめますわよ」 キュルケの眼が輝く。戦場だというのにまるで『これから舞台が始まるぞ』って感じな眼だ。 「ねえギーシュ、厨房に油の入った鍋があるでしょ」 「揚げ物の鍋のことかい?」 「そうよ。それをあなたのゴーレムで取ってきてちょうだい」 「お安い御用だ」 どうやらキュルケのあたまの中には既に打開策が出来ているらしかった。 それを信用しギーシュはワルキューレを作り出す。そしてワルキューレを厨房まで走らせる。 青銅は美しい金属光沢を持つが結構やわらかい。錫の含有量によって硬度を変えれるが、ギーシュは勿論この世界にそこまで理解できているものはいない。 硬い青銅が作れる者は長年の経験と勘によるものだろう。 そしてギーシュは『青銅』の二つ名を持つがまだそこまで硬い青銅は作れない。敵の矢はきっとワルキューレに刺さるだろう。 何本かなら別に問題は無い。しかし沢山刺されば厨房に着く前にボロボロにされてしまう可能性がある。ボロボロにされてしまってはゴーレムとしてまともに使えない。 それを考慮して低い姿勢を保たせつつ厨房に行かせる。 たしかに硬い青銅は作れないが『青銅』の二つ名は伊達じゃない。自分の青銅の性質を理解はちゃんとしている。用心のし過ぎに越したことは無いのだ。 それが功をそうしたのか矢は1本しか当たらなかった。そして厨房にあった油の鍋をつかませる。 「それを、入り口に向かって投げて?」 キュルケが手鏡を覗き込んで、化粧を直しながら呟く。 「舞台でも始める気かい?」 それを見て呆れたように口に出すが、言われたとおりワルキューレを操り鍋を入り口に向かって投げさせる。 それを見たはキュルケが堂々とした振る舞いで立ち上がる。 「その通り、歌劇の始まりよ。主演女優がすっぴんじゃ……」 油を撒き散らしながら飛ぶ鍋に向かって杖を振るう。 「しまらないでしょ!」 キュルケの魔法によって鍋の中の油が引火する。そして入り口のあたりに炎を撒き散らした。 傭兵たちが炎にたじろぎどよめく。 キュルケは立ち上がったまま過剰なほど大仰な身振りで呪文を詠唱し始める。彼女が言ったとおりまるで歌劇のように。 そして杖を振るうと炎はさらに勢いを増し傭兵たちに燃え移った。 キュルケはその様子を見ながら髪をかきあげる。まだ敵は沢山いるのだ。そんなことをすればまるで敵に矢を射ってくださいと言っているようなものだ。 だというのにキュルケはそんなことは意に介さず杖を掲げる。 当然のように何本もの矢がキュルケに迫る。しかしそれらはすべてタバサの風の魔法によって狙いを逸らされキュルケにあたることはない。 タバサの顔には何も浮かんではいないがこうやって当然といった感じがするし、キュルケもこうなって当然といった顔をしていた。 事前に打ち合わせしていたわけではない。ただお互いがして欲しいことがわかっただけである。 ギーシュはそれを理解したときに思った。 (羨ましい) ただそう思った、理由はよくわからないがそう思った。 「名もなき傭兵の皆様がた。あなたがたがどうして、あたしたちを襲うのか、まったくこちとら存じませんけども」 降りしきる矢嵐の中キュルケは朗々と台詞を歌い上げ場違いな微笑を浮かべて一礼する。 「この『微熱』のキュルケ、謹んでお相手つかまつりますわ」 舞台の幕が上がった。 使い魔は今すぐ逃げ出したい外伝 『ラ・ロシェールにて』 登場人物 『微熱』のキュルケ(キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー) 火の系統の魔法を得意とするトライアングルメイジ 『雪風』のタバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン) 風系統のトライアングルメイジであり、「風」に「水」を足し合わせた氷雪系の魔法が得意 『青銅』のギーシュ(ギーシュ・ド・グラモン) いつもバラの造花を口に咥えているキザな男 『土くれ』のフーケ(マチルダ・オブ・サウスゴータ) トリステインを初め各国の貴族に知られるメイジの盗賊 『傭兵部隊』A(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 『傭兵部隊』B(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 『傭兵部隊』C(そこらへんで雇われた傭兵部隊) やられ役 圧勝だった。キュルケとタバサが炎を操り傭兵たちを退けたのだ。キュルケは炎をさらに激しくし、タバサはそれを風によって遠くの敵まで運ぶ。見事な連係プレーだった。 しかしやり過ぎたのかあちこちに火が燃え移りもはや何もしなくても火の勢いは増していった。 「おっほっほ!おほ!おっほっほっほ!」 そんな中キュルケの笑い声がこだまする。 「見た?わかった?あたしの炎の威力を!火傷じゃすまなくてよ!あっはっはっはっは!」 そんなキュルケに1本矢が飛来する。まだ諦めていない傭兵がいるようだ。 しかしその矢をギーシュのワルキューレが弾く。ギーシュには特にやることが無かったのでこういったことしか出来ないでいた。 (父上、ぼくは真の男にはなれませんでした) さっき胸の奥で誓った決意は結局叶わずキュルケとタバサは余裕で傭兵たちを撃退してしまった。しかも自分には出来ない圧倒的な力で……守られたのだ。 それは決意をしたギーシュにとって落ち込むに足る理由だった。しかし死なずにすんだという喜びもあった。やはり死ぬのは怖い。 またモンモランシーに会えると思うと落ち込んでいた気持ちも喜びで浮上する。 「でも歯ごたえが無いわね。さっき崩れたゴーレムが残ってたらまだちゃんとした勝負になっ……て……」 ノリノリで喋っていたキュルケはギーシュの後ろを向くと突如言葉が止まる。しかも顔は呆けた表情で固まっている。 タバサもギーシュの後ろを見たまま視線を動かさない。どうしたのだろうか? 「どうしたんだい?」 後ろを皆と同じ方向に視線を向けるとそこには巨大なゴーレムが出来始めていた。 「……キュルケ、最近モンモランシーが口を聞いてくれなくてね。どうやったら仲直りできるかな?」 「……浮気するから悪いんじゃない?」 ギーシュは現実逃避を再開した。 フーケは目を覚ますと胸と腹、そして右頬に激痛を感じた。自分はどうなっているのだろうか? 頭のめぐりが悪い。どうしたというんだ?周りに目を向けると炎が吹き荒れ傭兵たちが逃げ惑っているのが見える。 なんと頼りにならない連中だろうか。その程度の炎が何だというのか。 体を起こそうとする。しかし痛みで思うように動けない。どうしてこんなに痛いんだ?息をするだけで胸が痛い。口の中は血の味がする。 それでも構わず起き上がろうとする。きっと何かの勘違いだろう。 もしかしたら寝ぼけているのかもしれない。そう思いながら必死で起きようとする。すると目の前に水溜りが見えた。 炎に輝いて周りの景色が映っている。しかし水溜りにしてはどうも色が変だ。 そこによく見ようと顔を近づけると自分の顔が映る。そこに映った自分の顔ではなかった。鏡を見て左頬、つまり右頬がなく歯がむき出しになっている顔が映っている。 「ヒッ!?」 誰だこれは!?思わず胸に手を当てるとねちゃっとした感覚が手についた。その手を顔の前まで持ってくると手には水溜りと同じ色をした液体が付いてた。 そして思い出す。自分はヨシカゲとかいうあの使い魔によくわからない攻撃をされたのだと。 理解する。この水溜りは水ではなく自分の血なのだ!そしてそこに映ったのは自分の顔なのだと。 それを理解して、声にならない悲鳴を上げた。
https://w.atwiki.jp/trpgken/pages/2781.html
◻️トレーラー さあさ、そこいくあんたもどうだい? こいつはオリンポスが十二神、この地の半分を治めなさるデュオニソス様のイコンでもある葡萄酒さ。 一口飲めば悩み消し飛び、半瓶開ければエリュシオンの心地ってなもんだ。 今ならお安くしておくが・・・。 なんだ、ハトホル様の御客人か。それなら野暮ってもんだな、止めとくぜ。 ・・・欲しい? 変わった嬢ちゃんだ。ま売れるならなんでもいいか。 真・女神転生TRPG 魔都東京200Xキャンペーン 『真・女神転生 Lost Fragments』 「第2話 Dream of Butterfly」 _ぶどう酒はあざける者であり、酔わせる酒は騒がしい。 ◻️ハンドアウト PC1 幼なじみ2人を喪い、地獄のような戦場を駆け抜け仲間と飛び込んだ先は、豪奢な広間。すぐに衛士に見つかり、負傷者を連れ追われながら外へ逃げだした君達が行き着いたのはとある大きな建造物の裏手の小屋。居住者である少女の口を封じて追っ手をやり過ごした君達は、少女の雇い主であり師匠でもある「ヘパイストス」に不審がられつつ少女の友人とごり押しすることでなし崩しに拠点を確保した。そこで君達は鍛冶場の仕事(お使いのようなものだが)を引き受けつつ東京へ帰還する方法を探ることにした。とはいえ不承不承ながら君達との同居を受け入れた「灰野・観視(ハイノ・ミミ)」という少女は、仕方ないことだが君達を警戒して止まない。そんなある日、君がたまたま早く帰ってくると彼女の独り言が聞こえてきた・・・。 PC2 拠点を確保し東京へ帰還する方法を探る君達は、状況の把握がてら鍛冶場の仕事を手伝って名古屋のあちらこちらへ配達している。ある日君が裏路地を通りがかると銃声や剣戟の音が耳についた。と、路地を飛び出してきた黒い影。口から血を吐き君へ倒れ込んできた背の高い男性は、明らかに致命傷である胸元の傷を庇いながら君を認めた。 「・・・その額の祝福は・・・ああ、我らが救世主さ、ま・・・、どう、か・・・酩酊の悪神に・・・お気・・・を・・・つけ・・・我、らに、救い・・・を・・・」 そう言いながら事切れた彼の羽織る、土煙で汚れたコートには。鮮烈な赤で十字が縫い込まれていた。 PC3 先生はあの混戦で毒を受けて以来、常に微熱、場合によっては高熱を出し寝込みうなされていることもしばしばだ。それでも仕事を手伝おうとし、その度君になだめられている。君も多種手はつくしているものの、どうやら特殊な毒のようで未だに解呪方法がわからない。日々先生の咳き込みや発疹も増え、体調も悪化しているようだ。そんな状況で君は名古屋を治める神の1柱、ハトホルの噂を聞く。主神であり伴侶であったホルスの傷を癒やし回復させた彼女であればなんとかできるかもしれない。君は、ハトホルと会う伝手を探してみることにした・・・。 PC4 君が認めたところによれば。名古屋は二つの神話が共存している都市だ。ナイルの恵み賜るエジプト神話、エーゲ海に抱かれ生きるギリシア神話。その2つがある程度譲り合い、人間へ恵みを与え支配している。町中でも悪魔を見かけるし、もめ事が起きることもあるようだが、人間達も概ね不満はなさそうに過ごしている。しかしただ一つ不満があるようで、ギリシア神話の代表であるデュオニソスの素行不良を嘆いているものは多い。その日も君はデュオニソスの信徒を名乗る一団が女性を連れ去ろうとしているのに出くわした。 PC5 少女の友人とごり押す最中、不審がるヘパイストスは顎に手をあて考えた後受け入れたようだった。その直前、ヘパイストスの目は君を捕らえていた・・・と、君だけが認識していた。そのことを仲間に言おうか迷う君へ、ドゥムジが告げる。 「今は黙っておくがいい。おそらく私に関することだろうが・・・」 一瞬考え込んだ後君の神は告げた。 「しかし名古屋にたどりつくとは僥倖だ。我が力の一端を取り戻すよい機会となるだろう。暫くは名古屋の情勢を探るといい、我が神殺しよ・・・。」
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/574.html
「ハ、ハックション!ハックションッ!」 私、園崎魅音は朝から盛大に女の子らしくないクシャミを連発していた。 うう…昨日お風呂上がりにタオルだけ巻いて髪も乾かさずTVに夢中になってそのまま寝ちゃったのが祟ったみたいだねぇ。 軽い頭痛に加え少しボーッとする…どうやら風邪をひいてしまったようだ。 体温を計ってみたら37.0°と表記された。微熱ではあるけどダルさも有るから今日は学校休もうかなと思っていたけどもうすぐ運動会が開催される関係で1時間目から昼まで体育というスケジュールで皆んな昨日から凄い楽しみにしていたんだっけ… それに私は委員長だから挨拶に号令、体育の前準備もしなければならないし私もこの日を楽しみにしていた1人でもあるのだ。 うん、少し大変だけどやっぱり学校に行こうと思ってふと時計を見たらいつもの出発時間を大幅に過ぎていた! いけないっ、委員長が遅刻なんてしたら体育の準備も遅れて迷惑かけちゃうし下級生に示しがつかないっ。急いで着替えて出発しようと思った時にふと閃いた! 1時間目から体育なら今ここで着替えてそのまま授業に向かえば時間短縮できるかもしれないと思いバスタオルを派手にベッド放り体操着に手を取った。 しかし私は風邪で判断力が鈍っていた事と時間的に焦っていた為にブラとパンツを着けずそのまま体操着とブルマを身につけてしまったのである! 急いでいたとはいえなんて失態を犯してしまったのであろうか、しかしもう着替え直す時間も惜しいのでこの格好の上に制服を着て家を飛び出した。 キーンコーンカーンコーン HRが始まる予鈴とほぼ同時に教室のドアを開けて皆んなに挨拶をした。どうやらギリギリセーフのようだ。 「どうした魅音?珍しく遅いじゃねーか」と圭ちゃんに揶揄われてしまい少し照れながら「いやぁおじさんとした事が寝坊しちゃってねぇ、マッハで飛んで来たんだよ。この勢いを体育でも見せてあげるから楽しみにしてな」と意気揚々に返した。 後ろで梨花ちゃんが「魅ぃは遅刻ギリギリになりそうな事を上手く流したのです。」とボソッと呟いていて少し図星をつかれたけどそのままスルーした。 そしてHRが終わり待ちに待った体育の授業が始まろうとした時皆んなが楽しく騒いでる中私は自分の体調が今朝より悪化していることを感じていた。 もともと風邪気味なのに遅刻を避ける為に全力疾走していたのがいけなかったんだろう。しかも汗を拭いていなかったのが追い討ちをかけたようだ。 だけど体育の授業が始まったばかりで自分の為に中断するのも皆んなに申し訳ないと思い不調を隠して授業に臨むべく委員長らしく号令をかけたのである。 玉転がしに、バトンリレー、障害物競走とそれぞれが元気にはしゃいで練習しており私も無理を通して楽しんでいたけどついに2時間目の途中でついに限界が来たようだった。 身体のダルさと頭痛が最大に達してその場で座り込んでしまったのである。ウゥ…もう最悪。 「はう!魅ぃちゃん大丈夫!?」「しっかりしろよ魅音!」「無理はいけませんわ」とレナ達が心配して駆け寄って来て私の身を案じてくれたけどほとんど頭に入ってこなかった。 知恵先生も授業を中断して私に駆け寄り「園崎さん大丈夫ですか!?まあ凄い熱っ、早く保健室に行きましょう!」と身体を支えてくれて2人で保健室に向かう事となった。 「皆さん園崎さんの事が心配と思いますがここは私に任せて授業を続けていて下さい!」 私は皆んなに弱々しく「ウゥ…ごめんねせっかくの体育なのにこんなになっちゃって…」と謝罪したけど、「気にするなよ」「そうですよ早く安静にして下さい。」「魅音さんがいないとつまらないですけどワタクシが盛り上げて見せますわッ」と励ましを受けてクスッと笑い知恵先生と保健室に向かう事になり、グラウンドに残った生徒達は直ぐに授業を再開せず心配そうに2人の後ろ姿を見守っていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/683.html
前ページ次ページご立派な使い魔 「で、ツェルプストーは何をしに」 「殿方! やはり一手お手合わせ願えませんこと?」 問いかけたルイズを華麗に無視して、キュルケはマーラに寄りかかる。 タバサは、友人のその姿に眉をしかめているものの、口出しはしていない。 「お主では到底入りきらぬとわかっていように、どうしたのじゃ」 「ええ。考えたのですけれど、殿方のその無数の触手ならと……」 「……一応、そっちは入る」 わざわざ色目を使いにきたというらしい。このキュルケは。 しかも、タバサを叩き起こしてまで…… ルイズはギーシュ以外にも頭痛の種が増えたと、どす黒いため息を吐き出した。 「グワッハッハ。確かにのう。よう考えたものだわな」 「でしょう? でしたら……」 「しかしな、赤毛の小娘。お主はまだまだ未熟ゆえに、ワシの一部であろうとも受け入れはできまいぞ」 「あ……あたしが未熟?」 はっ、と口を開けて驚くキュルケだ。 盲点を突かれた、とでも言うような。 「ただ受け入れられればよいというものではない。 お主が今まで積んできたあらゆる修練の……その全てが試されるのじゃ。 果たしてお主の歩んできた、全ての道は……ワシを受け入れる自信を生み出せるかな」 「そ……それは……」 キュルケの脳裏に浮かぶのは、これまで微熱とともに誘ってきた数多くの男達。 量も質も、決して悪いものではないと思える。 しかし……その全てが全身全霊を焼き尽くす業火だったのだろうか。 それは、決して肯定しきれないことである。 「あたしは……あたしは、殿方を受け入れるにはまだ自信がありませんわ」 「で、あろうさ。何、人の生は短いが、その密度は悪魔とは比べ物にならぬほどに濃いもの。 お主であれば幾たびかの試練を経て、ワシともやりあえるようになろうぞ」 「はい……!」 キュルケの目に、再び炎が宿った。 しかしこれは、微熱の炎ではない。百年を経ても燃え続ける執念の炎である。 「じゃあ帰るわ。お邪魔したわねルイズ」 「え」 「それじゃいきましょ、タバサ。殿方、必ずや数年後には……!」 「グワッハッハ。楽しみにしておるぞ」 言い残すが早いか、キュルケはまたシルフィードに乗り、その場を去ろうとする。 慌てて、ルイズはそのキュルケに掴みかかった。 「あ、あんた、本当にそのためだけにここに来たの!?」 「もちろん。朝方、ついに殿方を受け入れられる手段を思いついた! ってね。 そうしたら貴方達が出かけようとしていたから……」 「本気で……そのためだけに?」 タバサが、疲れた様子で顔を上げる。 「純粋にそれだけ」 「……わたしの周囲にまともな人間はいなくなっちゃったの?」 控えめにタバサが自分を指差しているが、ルイズは気づかなかった。 もうあまりのショックに、開いた口もふさがらない。 「は……はははは。なかなか情熱的なお嬢さんだね」 「あら、貴方は?」 見るに見かねて、ワルドがフォローに入ってくる。 枯れ木のようになっているルイズを、ワルドは庇うようにして立った。 「なかなか素敵な人ね。ねえ、情熱をご存知?」 「いや知ってはいるがね。しかしその、ご立派へ向けての腰掛けという扱いはご遠慮願いたいな」 「ふふ。そう、残念ね」 あまり残念でもなさそうにキュルケは笑う。 ワルドはその様子に一粒の冷や汗を流しながら、そっとルイズに囁いた。 「……なんというか、苦労していたんだね、僕のルイズ」 「……ええ……」 まあ、でも面白いからという理由で、キュルケとタバサも同行することになった。 お忍びの旅とかはどうでもいいのだろうか。 「もう、ここまで来たら諦めるしかないわ。そうよ、あいつさえ倒せばきっと……」 「期待できねー気もするけどな、娘ッ子」 とまあ、どうでもいいらしい。 宿に到着してもその様子は変わりなかったが、どうせ船が出るのは最速でも明後日という話なので、今日は休むことになる。 急ぎたいところではある。しかしこればかりは、どうにかしろと言ってどうにかなる問題でも……一応、ない。 ワルドは、そのあたりの事情を解説しながら鍵束を持ってきた。 「では部屋割りだが」 「わたし、ワルドと一緒の部屋がいいわ!」 「あら」 「へえ」 真っ先に手をあげたルイズに、キュルケとギーシュが目を丸くする。 同室を自分から申し出るとはなんとも大胆である。 「ルイズってば……とうとう春の訪れかしら」 「積極的な女性というのも悪くはないね」 冷やかしを受けても、ルイズは焦ったりはしなかった。 ただ言い返すのみである。 「ワルドはそんな人じゃないもの。色ボケのあんた達とは違うんだから!」 「は……ははは。そこまで信頼してもらえるのも、まあ、それはそれで複雑だな」 自分から言い出すつもりだったんだけどなあ、とワルドは首を捻った。 まあ手間が省けたと考えれば、それでいいのかもしれない。 「そうなると僕とルイズ。それから、キュルケとタバサ。……ええとだね、ギーシュと……」 「ふむ。いつも通り、ワシは小娘と同じ部屋で……」 「だ、だだだだダメよ! ダメなんだから! ほ、ほほほ、ほら! 婚約者と一緒なのよ!? いいいいくら使い魔ったって、そそそ、そういうのは、ダメ!」 必死になるルイズである。 旅先にまで来てこれと一緒に眠るなどとは、あまり考えたくもない。 そんなルイズに、意外なところから助け舟が出た。 「では、先生は僕と同室ということでは如何でしょうか。 先生のお話を一晩中お聞きするというのは、一度受けてみたかったのです」 なんとギーシュである。空気を読んだ発言だ。 しかも更に意外なことには、 「うむ、そうじゃな。いつも小娘の面倒ばかり見るというのも味気ないわな。 ギーシュよ、とくと語り聞かせてくれようぞ」 マーラまでそう言った。ルイズも、それには驚く。 「あ、あんた達……?」 「ふっ……流石に初夜を邪魔するほどには、ね……」 「最初の一回、未経験ゆえに不手際となる。これもまたよき経験なるかな」 またしても理不尽な誤解。 でも誤解でもなんでも、それで引き下がってくれるんならそれでいい。 そうも思った。 「……そうじゃないけどそれでいいわ」 「うーん……まあ、物分りのいいご友人と使い魔ということになるのかな」 ワルドもヒゲを掻きつつ、困ったように呟いた。 部屋に入って、二人きりになった途端、ルイズはベッドに倒れこんだ。そして手足を伸ばし、吐息をこぼす。 一方のワルドは椅子に腰掛けて、そんなルイズを観察している。 「ああ……開放感。どれくらい久しぶりなのかしら、こんなに素敵な気分……」 「どうしたんだい、ルイズ。随分嬉しそうな声を出して」 「だってワルド……」 ルイズは身体を起こすと、うっとりとした目をワルドに向ける。 「アレがいないの! すぐ傍に、あいつがいないのよ! こんな気分……ここまで爽快だなんて! 部屋がピンク色に染まっていないのって、こんなに素晴らしいことだったのね!」 「そ、そうなのかい。よ、良かったじゃないか」 「ええ、本当に……!」 すっかり顔が緩んでいるルイズだが、逆にワルドは顔を引き締めた。 そして一言一言を誤らぬように、ゆっくりと口を開く。 「ところでルイズ。君に、言いたいことがあるんだ」 「……?」 まだうっとりしていたルイズは、この口調に真剣さが含まれていることに気づき、改めてワルドを見た。 表情もきりりと引き締まっている。受け流していいようには見えない。 「どうしたの、ワルド?」 「この任務が終わったら、僕と結婚しよう」 結。 婚。 「え……」 「ずっとほったらかしにしていたことは謝るよ。でも、今の僕には君が必要なんだ。 君の力は、君が思っているほど小さなものじゃない」 「そんな、でも……」 ワルドの言葉は真剣そのもので、ルイズは夢を見ているのかと錯覚するほどだった。 それに結婚してしまえば、こんな生き地獄からも逃れられるのでは…… そんな夢想が一瞬にして広がる。しかしそれは、当のワルドの言葉で打ち砕かれた。 「実際、君の使い魔はあんなにも強大で、恐るべき力を持っているじゃないか。 使い魔を見ればメイジがわかるとは良く言うけれど、ルイズ。 君はまさにその……」 よりによって。 ここでマーラを持ち出してくるか。この男。 「……ダメよ」 「まさに君の実力を証明する、伝説……え? なんだい?」 「ダメ。今のわたしは貴方と結婚することなんて出来ないわ」 「……どうしてなんだい、ルイズ」 ワルドの表情が曇り、一瞬剣呑な輝きを帯びる。 が、ルイズはその表情に気づくこともなく、告げた。 「わたしの使い魔がいるんだもの。……アレがついてくる結婚生活なんて考えられない」 「……使い魔は常に一緒じゃないか。それは仕方ない……」 「仕方ないなんて割り切れないのよ!」 ルイズは。 気づかぬうちに手を振り、首を振って、全身でプロポーズを拒絶している。 「だからワルド! せっかくのお誘いだけど、わたし、受けることなんて出来ない!」 「ルイズ……じゃあ、どうすればいいんだ?」 「どう……すれば?」 ここだ。ここしかない。 「マーラを倒して。それが出来たらわたし、貴方と結婚する」 「き……君の使い魔を? あのご立派を?」 「そう……そしたら結婚でもなんでもするわ、わたし」 「なんでも、か。それはなんとも、楽しみなことだよ」 凍った表情で、ワルドは小さく呟いた。 そして同時に、 「アレに……勝つ。勝てるのか、僕が……」 全ての虚飾を取り払った『男そのもの』、その矜持が放った言葉だった。 前ページ次ページご立派な使い魔
https://w.atwiki.jp/pediatrics-memo/pages/69.html
疫学 ・発生率 3.5-12/10000人 ・好発年齢 生後6か月から2歳 ・性差 やや男児が多い. 病理 ・主な病理所見 ・リンパ過形成 ・パイエル板肥大 病歴先行感染 ・スイスの調査では腸重積症例の24%で胃腸炎が先行していた. ・アデノウイルスが最も研究され, 腸重積と最も強力な関係性が示されている. ・Okimotoらの報告ではウイルスが分離された56例において, 2歳未満の54.3%(19/35), 2歳以上の81.0%(17/21)でアデノウイルスが分離された. ・その他の腸炎の主な原因 ・サイトメガロウイルス ・Epstein-Barrウイルス ・ヒトヘルペスウイルス6型 ・アストロウイルス ・Yersinia enterocolitica ・Satphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌) ・Escherichia coli (大腸菌) O157;H7 ・Clostridium difficile ・Salmonella typhimurium ・Nylundらの報告では, 細菌性腸炎後の腸重積発症の相対危険度は40.6であった.ロタウイルスワクチン ・現在投与されているロタウイルスワクチン(単価ワクチン(RV1)と5価ワクチン(RV5))の接種後に腸重積の発症率が高まる事が指摘されている. ・Yihらの報告では, 米国での市販後研究でRV5(Rotateq®)の初回接種後21日までで, 接種者10万にあたりの腸重積の寄与危険度が1.5であった. ・Weintraubらの報告では, 市販後研究で, RV5接種後と比較したときのRV1(Rotarix®)接種後7日以内の腸重積発症の相対危険度は9.4で, RV1接種後の腸重積発症の寄与危険度は接種乳児10万にあたり5.3と推測された. ・Patelらの報告では, メキシコとブラジルにおける症例シリーズと症例対象研究でのRV1接種後と腸重積発症に関する研究で, RV1接種者51000人から68000人に1人の割合で腸重積発症の危険性があった. 画像検査腹部単純X線 ・感度, 特異度ともに良好ではないため, 診断には有用ではない. ・右上腹部と右下腹部のガス欠損がみられることがある. ・診断除外における有用性 ・Roskindらの報告では, 仰臥位, 腹臥位, 左側臥位でのX線写真における上行結腸のガス像を評価し, 全方向でガス像がみられた場合, 腸重積の可能性が低下ないしは除外できる可能性を示唆した. ・腸重積を呈するようになると, 液面形成や遠位腸管でのガス減少がみられるようになる.腹部超音波検査 ・感度, 特異度いずれも良好であり, 診断, 除外のいずれでも有用.
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/38.html
「ハッ?!」 目が覚めるとそこは見慣れないところでした 「・・・あれ、なにしてたんだっけ?こんな傷までして・・・」 この青年、ドッピオは腹部に包帯を巻かれてベッドの上で寝ていました 「・・・あ」 そして自分がなぜこんな傷を負ったのか思い出しました 「あ・・・気がつきましたか?」 「シエスタさん・・・そうだ!シエスタさん、僕が決闘しているのを見ていましたよね」 「あ、はい」 ドッピオは決闘のとき湧き上がったドッピオコールの最初、自分の名前を言ってくれたのがシエスタだと覚えていました 「あの後、どうなったんですか?」 「どうってドッピオさんがギーシュさまをやっつけたんですよ?覚えていないんですか」 それもそのはず、倒したのはドッピオではなく主人格であるディアボロなのですから ドッピオは自分のボスが倒したのだと思いひとまず落ち着きました 「目が覚めたようですのでヴァリエール様に報告しますね」 「ヴァリエール?」 「・・ルイズ様のことですよ」 ドッピオは最初に説明されたフルネームを忘れていました 「ドッピオ!!」 「ルイズさん・・・そんなに声を立てなくても」 「このバカ!!なんであんなことをしたの!!」 「いきなり罵倒しますか・・・」 しばらくベッドの上で貴族に決闘をさせるようなことをするなだとか あんなことではちっとも自分のためにならないだとか 傷を負ってるのに無茶をするなだとか ドッピオはいろんな罵倒を半分聞き流しながらルイズにあわせていました しばらくして怒鳴りつかれたのか一呼吸して 「今は傷を治すことだけ考えなさい。無茶したらそれこそ許さないんだから」 といって部屋から出て行こうとします 「ありがとうございます。ルイズさん」 ドッピオが礼を言うと 「か、勘違いしないでよね! 別にアンタのためじゃなくって早く傷を治してもらわないと家事をするのは誰がいるのよ」 照れ隠しだと思いながらドッピオはその言葉を受け取りました 「・・ここだけの話ですけどね」 シエスタが言います 「決闘の後ルイズさんとても心配なされていたのですよ? 傷を治すのにも高級な薬草を取り入れたりしていたそうですし」 「そうですか・・・それだとなおのこと傷を治すことを考えないといけませんね」 そして二日ほどたちました ルイズの取り入れた薬草のおかげか傷のほうも早く完治し、十分に動けるようになりました 決闘のこともあってかドッピオのことを「平民が…」等と言って直接絡んでくる人は特にいなくなりました ですが中途半端に腕に自信がある人たちが絡んできたりします あの後、ドッピオは貴族との戦いを学習し、絡まれたら逃げるといった行動に移るようになりました それでもそういった行動をとると相手は挑発をします。それに耐えられなくなるのはドッピオではなく主人のほうでした 「ちゃちゃっとあいつをやっつけちゃって!」 などの無茶な命令を聞くのも使い魔の仕事です。エピタフの未来予知を駆使し魔法を発動させる前に近づいて杖を折る ギーシュとの戦いで学んだことです。貴族の人たちは例外なく杖を折ると魔法が使えないようです ですがドッピオはこういった人たちよりももっと苦手な部類の人種がいるのです 先程絡んでくる人がいなくなったと言いましたが例外はいるんです 無性に絡んでくるのが1人います 「ドッピオー♪」 「・・・キュルケさん・・・」 キュルケと呼ばれた女生徒はドッピオの腕に胸を押しつけるように抱きついてきます 肩までかかる燃えるような赤い髪を持ちスラッと長身で豊満なバストを見せつけるような格好をしているキュルケ ドッピオに対しここ数日求愛行動を示していました 「ねぇ、今夜私の部屋にこ・な・い?」 「遠慮します・・・」 「あぁ~ん。即答しないでよー」 「じゃあ来年まで考えときます」 「もぉー、つれないわねぇ・・・」 彼女は二つ名が示す「微熱のキュルケ」の通り恋多き女なのです 理由は以下の通り 「数日であの「青銅のギーシュ」を初めとする学院の貴族を50あまり倒した平民・・・燃えるわー」 噂は肥大化するものなんです 「ちょっと・・・使い魔に用があるなら主人を通すのが礼儀じゃなくて?ミス・ツェペェルトー?」 「あーらミス・ヴァリエール。いたの?色々小さくて見えなかったわ」 「な、なんですってぇー!!!」 ちなみにルイズとは家柄的な問題で犬猿の中らしい 「・・・タバサさん。長くなりそうだから先に夕飯食いに行きませんか?」 「・・・・・・(コク」 タバサと呼ばれた少女はチラッとドッピオを見て頷くと視線を読んでいた本に戻しドッピオに続き歩き出しました 眼鏡をかけショートカットで青髪。ルイズよりも一回り小さい少女はいつも本を読んでいます ここの世界の文字が読めないドッピオには何の本だかはわかりませんが・・・ タバサはキュルケの親友でだいたいセットでいます 口数も少なく表情の変化もないので何考えてるがわかりにくい謎多き少女なのですがドッピオからして見ると一番疲れない相手でもあります 何だかんだここ最近4人組でいることが多いんです 「お腹すきましたね」 とお腹を押さえて歩いていると後ろから声が聞こえる 「あぁ~ん、待ってー!!」 「こらぁ!!ご主人様置いてどこ行くの!!」 と言った具合で夕食を取り部屋に戻るのです そしてルイズを寝かしつけると服を丁寧にハンガーにかけ下着姿になり毛布を被り眠ります 住めば都と言うべきなのでしょうか、我が侭なご主人はさて置きドッピオはここの生活に慣れていました ですがそんな休息も長くは続かないのでした 「フフフ、ここね…」 皆が寝静まった深夜のトリステイン魔法学院宝物庫 その扉の前に黒いフードを頭から被り明らかに不審者である人物がブツブツと独り言を言っているのでした 8へ
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/40104.html
【検索用 GimmeGimme 登録タグ #コンパス ライブアリーナ 2019年 BiliBiliミリオン達成曲 G LAM Ryo Asakura VOCALOID YouTubeテンミリオン達成曲 YouTubeミリオン達成曲 q*Left ギガP プロジェクトセカイ カラフルステージ! ミリオン達成曲 八王子P 初音ミク 曲 曲英 殿堂入り 鏡音リン】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞色分け歌詞 コメント 作詞:q*Left 作曲:八王子P・Giga 編曲:八王子P・Giga イラスト:LAM 動画:Ryo Asakura(朝倉涼)(Twitter) 唄:初音ミク・鏡音リン 曲紹介 この恋は、衝動 曲名:『Gimme×Gimme』(ギミー×ギミー) 八王子PとGiga氏のコラボ楽曲。 gimme は give me を意味するスラング、口語表現。 八王子Pのアルバム『GRAPHIX』収録曲。 歌詞 (動画歌詞書き起こし・編集) "Are you free tonight?" Called from you. now お気に入りmuskと 甘々な秘密纏(まと)う I've been waiting… This weekend night!! 今夜モノになる あたしのなにもかも 溢れ出てるlibido はあ、好き その衝動 そんなら見ててよ伝家の宝刀 いこう王道 「はあ…ちょっと酔っちゃったかも♥」 すべて見抜いて 余裕なんて見せないで すべて見透かして 好きにさせて ねえ早く連れていって まつげすら触れちゃいそうな 距離で思考すら奪って 探り当てて 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで I just Gimme×Gimme 余計なこと 考えてないで 今は踊りましょう シャバダバダ ドゥビドゥビドゥ 映画のエンドロールみたいに 背中の痕(あと) 過去重ね 数え 酔いも覚めないふりで 良い宵からの夜が明けてく 足りないくらいがちょうどいい… なんて意地悪ばかり言わないで! まだまだ足りない これは純愛 好きにさせて ねえ早く連れていって 微熱でとけちゃいそうな 距離で思考すら奪って 貫いてって 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるその唇(くち)で 耳を塞いで この時間(とき)も 呼吸(いき)も止めて 火照る心の 隙間埋めて ここにいる意味を成して 未来なんていらない 今のあたしを見て! I just Wanna×Wanna 好きにさせて ねえ早く連れていって まつげすら触れちゃいそうな 距離で思考すら奪って 探り当てて 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで あざやかに彩って (forget what I just said) この世界を照らすような (actually. don't forget) 満たす体温 最後まで (please don't forget…lifetime) 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで don't want to go home but I have to because he comes home Maybe next time 色分け歌詞 + 色分け歌詞 ※ミク:青緑 リン:黄色 "Are you free tonight?" Called from you. now お気に入りmuskと 甘々な秘密纏(まと)う I've been waiting… This weekend night!! 今夜モノになる あたしのなにもかも 溢れ出てるlibido はあ、好き その衝動 そんなら見ててよ伝家の宝刀 いこう王道 「はあ…ちょっと酔っちゃったかも♥」 すべて見抜いて 余裕なんて見せないで すべて見透かして 好きにさせて ねえ早く連れていって まつげすら触れちゃいそうな 距離で思考すら奪って 探り当てて 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで I just Gimme×Gimme 余計なこと 考えてないで 今は踊りましょう シャバダバダ ドゥビドゥビドゥ 映画のエンドロールみたいに 背中の痕(あと) 過去重ね 数え 酔いも覚めないふりで 良い宵からの夜が明けてく 足りないくらいがちょうどいい… なんて意地悪ばかり言わないで! まだまだ足りない これは純愛 好きにさせて ねえ早く連れていって 微熱でとけちゃいそうな 距離で思考すら奪って 貫いてって 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるその唇(くち)で 耳を塞いで この時間(とき)も 呼吸(いき)も止めて 火照る心の 隙間埋めて ここにいる意味を成して 未来なんていらない 今のあたしを見て! I just Wanna×Wanna 好きにさせて ねえ早く連れていって まつげすら触れちゃいそうな 距離で思考すら奪って 探り当てて 其の場凌ぎ以上の 余計なこと言っちゃいそうな 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで あざやかに彩って (forget what I just said) この世界を照らすような (actually. don't forget) 満たす体温 最後まで (please don't forget…lifetime) 吐息漏れるこの唇(くち)を kissで塞いで don't want to go home but I have to because he comes home Maybe next time コメント 後ろの音もメロディも調教もPVも全部好き…… -- 名無しさん (2019-11-01 22 33 00) ところどころ本当に人が歌ってるように聞こえたりとかしてほんと調教すげえ -- 名無しさん (2019-12-24 22 48 29) 「意地悪ばかり」は「意地悪ばっか」に聴こえますけど、歌詞カード持ってないからなんとも言えません -- 名無しさん (2020-01-15 18 36 45) q*Leftさん、八王子Pさん、Gigaさんでハマらないわけがない……好きすぐる -- 名無しさん (2020-03-02 18 04 00) 即、マイリス入り -- 名無しさん (2020-03-13 23 39 15) 何回聴いても飽きない… -- P (2020-04-04 11 56 50) 大人の色気がすごい…えちぃ…すき -- 名無しさん (2020-04-26 12 13 05) イントロでもう打ちのめされました。中毒性があるので何回でも聴ける -- かぐや姫 (2020-06-10 18 27 57) かなり好き。かなり広告打ってる。 -- AI (2020-06-11 13 49 17) 曲も歌詞も絵も最高。 -- ナナシ (2020-08-15 19 54 05) この曲大好き( ´∀`) -- 名無し (2020-09-23 07 06 13) 久しぶりに聞いたけどやっぱ神。色気ヤバい。何回聴いても飽きないんだよなー。 -- しょこらうしゃぎもち (2020-09-30 18 13 59) イントロがいいです!ダンス、覚えたい… -- 名無しさん (2020-10-03 16 52 58) 曲の音はギガさんぽいのに、伴奏の作り方は八王子さんで…調教の仕方は八王子さん、エフェクトはギガさんみたいな……凄すぎて言葉が出ない -- 名無しさん (2020-10-20 08 00 26) もうね、これはね、えっちそのものだね…言うなればえっちの権化… -- 名無しさん (2020-11-23 14 33 53) ↑えっちのごんげwww -- 名無しさん (2020-12-02 09 41 43) 「はあ…ちょっと酔っちゃったかも♥」←かわいすぎ!! -- 名無しさん (2021-02-03 11 28 07) かっこかわいいいいい!!!! -- なりあさ (2021-06-12 18 18 24) めっちゃ好き -- 名無しさん (2021-07-26 18 40 01) ミクちゃんの声が魅力的できゃわいい(❤´艸`❤) -- 名無しさん (2021-10-12 21 57 12) かわいい -- 名無しさん (2021-10-15 13 08 50) かっこいい...それに中毒性高いしマジで好き。ミクリンの曲少ないような気がするけどマジで神。 -- なりあさ (2021-10-15 19 29 03) 子音が強いミクさん大好き、、、 -- 名無しさん (2022-01-09 17 33 44) ギミギミって、発音からつい口ずさみたくなるような感じですね。曲調もかっこよくて、Mvの演出も素敵です! -- なりあさ (2022-03-07 09 36 08) これって、今日こそカレシと…みたいなエロ妄想ふくらませてたら、最後にカレシが家に帰っちゃう。来週こそ…!と決意を新たにするティーンエイジャーの女の子の話だよね。カワイイ。 -- 名無しさん (2022-03-28 15 11 05) 英語も入っててお洒落(?)が良き!MV好き!何もかも素敵!!!!!!・ *+.\(( °ω° ))/. + -- 風凛 (2023-02-02 09 33 02) これを14歳のリンちゃんと16歳のミクが歌ってるの最高 -- ギガさん最高 (2024-08-15 20 20 24) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/matomemodijital/pages/24.html
K 中毒 L 救急 M 麻酔 N 医学総論 【K 中毒】 毛髪中の定量:メチル水銀、ヒ素、セレン 無機鉛:尿中コプロポルフィリン↑、 δアミノレブリン酸↑、経気道吸収、 貧血、腹痛、橈骨麻痺、好塩基斑点赤血球 トルエン→尿中馬尿酸 キシレン→尿中メチル馬尿酸 ベンゼン→尿中フェノール トリクロロエチレン→尿中総三塩化物、 トリクロロ酢酸 有機溶剤はトルエンが主成分→中枢抑制 ジイソシアネート:ポリウレタンの原料、 職業性喘息、気道刺激 排ガス吸引自殺未遂:CO中毒→マンニトール Hunter-Russell:求心性視野狭窄+小脳失調 知覚障害、 As:胃腸、末梢神経、皮膚沈着、角化、mess線 パラコート:数日後に肺炎、肺水腫、高圧O2禁忌 一時間以内なら吸着剤 ベリリウム:吸入後数~10年で肺肉芽腫性病変 肺線維症 鼻中隔穿孔:クロム・ヒ素 →拮抗薬はBAL 酸素欠乏危険場所でH2S中毒も発生しやすい PAM療法:有機リン中毒に有効 乳酸加リンゲル液輸液:細胞外液の補給 減圧症:大関節と筋肉の疼痛、高圧酸素療法 シアン化水素中毒で皮膚紅潮 青酸ガス中毒に対してチオ硫酸Na 歯牙酸蝕症:二酸化硫黄による CO:淡蒼球障害、親和性250倍、白質障害 ガス中毒では最多 メトヘモグロビン血症 ←アニリン・ニトロベンゼン中毒 モルヒネ:E-W核刺激による縮瞳 L-dopa:突然中止による悪性症候群 ニューキノロン+NSAIDsで痙攣誘発 ステロイド中断でNa↓、血糖↓ コルチゾール低下による アスピリン過量:高体温、めまい、耳鳴り、 過呼吸、難聴 アミノグリコシド(カナ・ゲンタ・ストレプト) →腎毒性、耳毒症 歯牙黄染:テトラサイクリンによる 腎毒性:シクロスポリン、シスプラチン(低Mg血症) アムホテリシンB フグ:肝臓、卵巣、皮膚、腸に毒 ボツリヌス:球麻痺、外眼筋、呼吸筋麻痺 胃洗浄の適応は内服から1時間以内 サイアザイド:K排出↑、Ca排出↓ SLE様症状を呈する:プロカインアミド、 ヒドララジン、プロピオウラシル 金製剤:皮膚炎、口内炎、腎障害 インターフェロン+小柴胡湯で間質性肺炎 【L 救急】 dog s ear sign:小骨盤腔内に腹腔内液貯留所見 アナフィラキシー→アドレナリン投与、 アミノフィリン、ステロイド、抗ヒスタミンの順 神経原性ショック:徐脈、血管抵抗↓、 硫酸アトロピンで治療 意識障害時には必ず血糖を測定する warm shock:末梢抵抗↓、心拍出量↑、 浅い頻呼吸による呼吸性アルカローシス 抗生剤+ドパミンで治療 死戦期:不規則で喘ぐような呼吸 胸骨下部1/2=両側乳頭を結ぶ位置 胃洗浄が禁忌:灯油、ガソリン、 酸アルカリ、ストリキニーネ 気管支異物で吸気<呼気時で透過性↑ :Holzknecht sign ピーナッツのアラキドン酸による気管支炎 急性腹症の検査:尿、血清、Xp 抗生物質起因性の偽膜性腸炎、急性出血性腸炎 尺骨:C8~Th1、橈骨・正中:C5~C7 間欠的強制換気IMV:換気を補充する これで駄目なら持続的陽圧呼吸CPAP 高圧酸素療法の適応:CO中毒、破傷風、減圧症 破傷風治療:トキソイド、 抗破傷風ヒト免疫グロブリン 皮下気腫で握雪感 腹腔内出血による腹膜刺激症状 LDH↑:肝、肺、腎、膵の損傷 膵損傷+free air、筋性防御(+)ならば緊急手術 肝被膜下損傷、表在性損傷ならば保存的治療可能 条件はショック(-)、腹痛・筋性防御が軽度、 出血500ml以下、被膜損傷(-)、 必要によっては腹腔動脈造影を行う 腹腔内出血→骨盤レントゲンでdog s ear sign、 尿道外傷直後には膀胱鏡、尿道ブジーは禁忌 第一は逆行性尿道膀胱造影 脱水→臥位で頸動脈拍動消失 エンドトキシンショック:頻呼吸による 呼吸性アルカローシス、赤血球中の2,3-DPG↓ 痙攣→ジアゼパム(セルシン)、 淡水溺水:循環血液量↑、溶血、 代謝性アシドーシス、吐かせない 熱傷ショック:間質圧↑、心拍出量↓ 血管透過性↑(受傷48時間まで、 外液補充のため血漿を用いる) 輸液速度:1ml/kg/時 心タンポ:Beck三徴 (静脈圧上昇、血圧低下、心音減弱) 非穿通性大動脈損傷:下行大動脈起始部に多い 【M 麻酔】 チオペンタールによるヒスタミン遊離作用、 迷走神経緊張 アミド型局麻薬:リドカイン、メピバカイン、 硬膜外麻酔で中毒が多い エステル型:プロカイン、テロラカイン、 アレルギーが多い 悪性高熱:ダントロレンが第一 ハロセン、サクシニルコリンで誘発 アミノフィリン:気管支拡張、揮発性吸入麻酔薬 アトロピン:脈拍↑、分泌物↓、 気管支拡張、胎盤通過 笑気:鎮痛、造血を抑制、耽溺性、血管抵抗↑ MAC:ハロセン0.75、セボ1.7、イソ1.15 MAC↑となる条件:小児、高熱、高Na 血液/ガス分配係数(B/G比)小さいほど導入が早い エーテル:血糖値を動揺させる、糖尿病には禁忌 ハロセン:アドレナリンの刺激性を上昇、 気管支拡張、子宮筋弛緩 チオペンタール:超短時間性、循環・呼吸抑制、 疼痛域値↓ 喘息、ポルフィリン症、ショック時には禁忌 ケタミン:表在痛に効く、鎮痛が強い、 分泌亢進、子宮収縮、覚醒時の幻覚 (ジアゼパムで予防)、交感神経の抑制なし フェンタニル:呼吸抑制が強い (人工呼吸が前提、ミダゾラムも) 循環抑制は少ない、鎮痛強い 脱分極性:SCC、K上昇・アルカローシス・低体温で 作用増強 眼圧を上昇、腹腔内圧↑、反復投与により不整脈 非脱分極性:クラーレ、パンクロニウム、 抗コリンエステラーゼ剤で拮抗 呼吸は最後に抑制,Achに競合して脱分極させない Wedensky inhibition:尺骨神経のテタヌス刺激で 反応が次第に減弱→非脱分極性筋弛緩で見られる 分娩第1期の痛み:Th10~L1で除去 温・痛・触・圧の順にブロックされる 指・趾・陰茎・血行障害部は血行不良となるため アドレナリン添加禁忌 Jacoby s line:左右腸骨稜、第4腰椎棘突起付近 乳頭:Th4、剣状:Th6、臍:Th10、 母指:C6、小指:C8 交感神経遮断により血圧低下 星状神経節ブロックSGB→Horner (眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹) カウザルギー:末梢神経損傷後の灼熱性疼痛 ナロキソン投与で呼吸抑制に拮抗 Hbが10g/dl以上なら輸血しない 輸血の順序:RBC→保存血→新鮮血 高K血症の治療でカルシウムの投与 術当日から2日間は抗菌薬投与 生後1年で脊髄は成人と同じレベル Obestブロック:指の伝達麻痺 脊髄麻酔での血圧降下時 →semi-Trendelenburg体位(下肢のみ挙上) 半月状神経節(Gasser)ブロック: 卵円孔内、三叉神経痛、顔面痛に対して リン酸コデイン:弱オピオイド、鎮咳剤 【N 医学総論】 高齢者で内液量↓、外液量↑、ゴナドトロピン↑ リウマトイド因子陽性率上昇、老人性縮瞳 廃用症候群→知能、感情の障害 皮膚血管の還元型Hbが5g/dl以上でチアノーゼ、 口唇に出やすい Fowler位:semi-sitting 急性腹膜炎:鼓腸 K濃度:3.7~4.8mEq/l 脈圧:収縮期と拡張期の差 嘔吐をきたす薬物:ジギタリス、鉄剤、鎮痛剤 上大静脈症候群:前胸部に下行性の静脈怒張 Budd-Chiari:腹壁に上行性の静脈怒張 脾臓を触れれば脾腫あり 多臓器不全:全身組織低O2血症による乳酸蓄積 赤沈↑・CRP陰性=貧血、急性炎症回復期 γグロブリン↑・Alb↓による:MM、 慢性甲状腺炎、原発マクロ、妊娠 IgG:2~4週で出現 髄膜炎菌は低温で死亡 ヒビテン:グルコン酸クロルヘキシジン 健康肉芽:鮮紅色、出血しやすい、 感染抵抗性大、発赤・腫脹(-) 創傷治癒阻害因子:浮腫、糖尿病、放射線、 微量元素欠乏 術後早期:脂肪分解亢進、水保持、蛋白異化 ストレスに抵抗する方向の作用 新生児の術後で脳梗塞は稀 Treponema:4℃72時間で死滅 輸血後:高K、低Ca、出血傾向 CEA上昇←喫煙、糖尿病、便秘 PIVKA-Ⅱ:VitK欠乏により不活性型となった プロトロンビン、ワーファリン投与で上昇 セロトニン5HT3受容体拮抗薬: 迷走神経の末端を遮断、強力な制吐作用 EIS:静脈瘤の第1選択、降下薬を注入、予防的 出血性、既往、RCS(+)で BTシャント:鎖骨下ー肺動脈を結ぶ→肺血流増加 直接Coombs試験:自己抗体の存在 抗人免疫グロブリン抗体で凝集反応 セカンドオピニオン:診療情報提供書 市町村が保険者 厚生労働大臣が交付 健康診断は保険料交付の対象外 保険料が49%、公費が36%、残りが患者負担 約33兆円、所得の8.8% 健康日本21:健康寿命の延伸、壮年期死亡の減少 生活の質の向上 POMR:問題指向型医療記録 入院診療計画書:入院から7日以内に交付・説明 自殺:その他および不詳の外因死 全感染で、尿路感染が40% PDCAサイクル:Plan-Do-Check-Action 尿道留置=閉鎖ドレナージ法 特定生物由来製品の情報保管:20年 直ビがウロビリノゲンになって尿から排泄 騒音→C5 dip 4000Hz 気管分泌物:健常人にはほとんど無し 急性腹膜炎→鼓腸 Sims位:直腸診、婦人科診察 血圧:睡眠時に最低、起床時に最高 甲状腺機能低下:無関心様症状 舌癌:顎部リンパ節に転移 thrill:弁膜狭窄部・血管の欠損部を 通過する際の乱流 漏出性胸水:心不全、低栄養、肝硬変、 チアノーゼ、Budd-Chiari 滲出性:癌性、感染性 前彎=前方に凸の弯曲 Doderlein桿菌(乳酸桿菌)により グリコーゲンが分解されて腟内は酸性 Barre徴候:中枢性に原因のある片側性筋力低下 特発性浮腫:20~40代の肥満女性 親水性のあるムコ多糖類の沈着により 非圧痕性浮腫 喀痰:うがいの後に採取、37度で保存 血液検査:冷所での保存は駄目 尿比重:1.005~1.025 尿試験紙法では浸透圧は測れない 採血の抗凝固:EDTA・2K、 ヘパリンを使うと血小板が自然凝集 胃癌のGroupⅣなら再検 NNT number needed to treat:新薬治療の患者が 何人に達すると無治療に比べて患者を一人 減らすことができるか 100人で計算する ROC曲線:感度と1-特異度(偽陽性率) 感度が高い:除外診断 特異度:確定診断 検査後確率:陽性反応的中率 尤度比:感度/(1-特異度) オッズ/(1+オッズ)=確率 成長ホルモンは女性の方が高い 急性硬膜下血腫:受傷直後から重篤 ⇔硬膜外:清明期あり、2~数時間後から症状 溺水後12~24時間後に二次溺水 除細動:心基部と心尖部から通電 心停止時にアドレナリン投与する、除細動は駄目 甲状軟骨下縁と輪状軟骨の上縁を切開 リドカイン:心室細動に対して Bellocqタンポン:後鼻孔、鼻孔後方からの 大量出血に対して使用 副木:上下の関節も固定 低血糖発作:血圧正常、冷感、皮膚湿潤 2cmのたばこの誤飲で無症状なら経過観察 胃洗浄禁忌:大量出血の危険、腐食性、 ストリキニーネ:反射による中毒誘発 精巣捻転:6時間以内に血流再開させる Phehn sign:精巣捻転で精巣・精巣上体を 挙上すると疼痛が増強 Malgaigne骨折:前方骨盤(恥・坐骨)+ 後方(腸骨)の合併骨折 伝染性単核球症→安静+アスピリン 稽留流産:22週未満、死亡後無症状で子宮内に停滞 反響言語:Alzheimer型 モルヒネ:呼吸抑制、昏睡、縮瞳、ショック コカイン:興奮、血圧↑、散瞳 パニック障害発作時に自律神経系の興奮 予期不安 ポリソムノグラフィィ:睡眠時無呼吸の検査 大部分は閉塞型 網状皮斑:真皮深層~皮下脂肪境界部の 脈管機能障害、血管炎、リベド 湿疹:表皮の炎症、表皮細胞間浮腫 アトピー性皮膚炎:対称性、冬から春にかけて 白色描記 Koplik斑は麻疹で必須、治癒後に色素沈着 咽頭結膜炎(プール熱):症状消失後2日は 出席停止 角膜感染症:コンタクトでは緑膿菌が最多 他に黄ブ、セラチアなど 浸潤、輪状膿瘍、実質の浮腫混濁、 Ⅰ型糖尿病で後嚢下皮質に進行性の白内障 ステロイド・クロルプロマジンで治療 狭隅角緑内障:瞳孔散大により発症 →縮瞳薬(ピロカルピン)、浸透圧利尿薬点滴、 炭酸脱水素酵素阻害薬内服 虹視症:角膜浮腫による 鼻側から徐々に進行する視野狭窄、 乳頭陥凹の拡大 急性中耳炎:肺炎球菌(50%)、フル菌(40%) 連鎖、黄ブ、切開排膿 くしゃみ:鼻粘膜の三叉神経の刺激が中枢に伝わり 迷走神経が遠心路 アレルギー性鼻炎:RASTでのIgE定量 くしゃみ・水様鼻汁・鼻閉が三徴、副交感亢進 扁桃白苔:伝染性単核、アデノウイルス、A連鎖 滲出性扁桃炎の所見 アデノ扁桃炎:咽頭後壁の敷石像 アスピリン喘息:β遮断は禁忌、テオフィリンは 静注のみ(リン酸エステル型のステロイド)、 アドレナリンは吸入する クレブシエラ:肺炎桿菌、両端が鈍円、莢膜が染色 右心不全による肝腫大 在宅人工呼吸:低換気による高CO2血症の可能性 在宅酸素療法:room airでPaO255Torr以下のとき 結核感染危険度指数:最大Gaffky×咳の持続月数 10以上で高リスク 感染源となるかという根拠は喀痰塗抹検査成績 急性呼吸器窮迫症候群ARDS:血管内皮障害による 透過性亢進で肺水腫 高サイトカイン血症、補体・顆粒球の活性化 ベラパミル:房室結節の伝導を抑制 →上室性頻拍を停止 アトロピン、イソプロテレ:房室結節伝導促進、 伝導障害を治療 リドカイン:Naチャネル遮断、心室性不整脈を治療 期外収縮、心室細動 AFにはプロカインアミド 中年以降男性の心房細動、不整脈、高血圧 →甲状腺機能亢進を考える 前傾座位で雑音増強:Erbの領域、AR 肥大型心筋症:ジギタリス・硝酸・β刺激は禁忌 アルコール:中性脂肪、VLDLを上昇させる 食道癌:大量喫煙、飲酒、 正常門脈圧:10~15cmH2O、20以上で静脈瘤形成 食道静脈瘤:下部に好発、嚥下障害、 肝機能低下時には硬化療法だめ 尿量減少時に含K輸液は禁忌 虫垂炎で高熱があれば緊急開腹術 UC合併:壊疽性膿皮症、結節性紅斑、 中毒性巨大結腸症 内痔核:結紮切除術⇔外痔核:血栓除去術 母子・針刺し感染ではB型肝炎感染が最多 B型:成人では慢性化しない、乳児と免疫不全者で ⇔C型では60~70%が慢性化 劇症化は1~2%で最多、肝癌の15% 急性肝炎:インフル様症状+黄疸、発熱(-) 肝硬変:AST優位 ブスコパン(抗コリン)による胆嚢炎の鎮痛 Charcot3徴:発熱、黄疸、右上腹部痛 Reynolds5徴:上のやつ+ショック、意識障害 慢性膵炎:低脂肪、禁酒、消化酵素剤内服 V型高脂血症:クリーム層+黄色血清、 カイロミクロン+VLDL、急性膵炎を合併 イレウス:口側からの内視鏡・造影剤は禁忌 急性白血病→浸潤細胞による口腔内潰瘍 DIC:フィブリノーゲン<200、FDP↑↑ 赤沈遅延 悪性リンパ腫:可溶性IL-2受容体高値 ネフローゼ:蛋白尿3.5g/日、総蛋白6.0g/dl以下、 アルブミン3.0以下 減塩による浮腫の改善 導尿は1日4~5回 尿路感染に対して水分摂取で排尿回数増やす 妊娠後半期にエストロ亢進による 膣上皮グリコーゲン↑でカンジダ腟炎 エストロ↑で酸性化、カンジダは酸性好き 腎不全ではSU薬・ビグアナイド薬は禁忌 骨転移は脊椎が30% 頸癌:95%が扁平上皮、HPV、経産婦 片頭痛:前兆を伴わないものが85% ジアゼパム:ベンゾ系抗不安、抗痙攣、鎮静薬 呼吸抑制に注意 小脳障害で大字症 熱性痙攣:全小児の4~8%、1~5分で収まる 6か月~3歳が80% てんかん移行:年5回以上発作、20分以上持続、 発熱38度以下、初発が1歳未満・6歳以上 上記の2項目以上ならジアゼパム坐薬で再発予防 肩関節周囲炎:50肩、寒冷時・夜間に強い、 関節拘縮、予後良好 リウマチ→間質性肺炎 BUN:脱水を反映 横隔膜:第3~5頸髄節 甲状腺より先に副腎皮質機能を改善させる そうしないと急性副腎不全を起こす HbA1c:過去6~8週間の血糖コントロールの指標 糖尿病で多食・腹痛 救急蘇生:DONTの順、ブドウ糖液、O2、 ナロキソン(オピオイド拮抗)、 サイアミン(VitB1) 食物繊維:1日25g以上 家族性高コレステ:アキレス腱が側面で9mm以上で 確定診断 痛風の抗炎症薬投与は発作極期のみ、 前兆期はコルヒチン投与 プロベネシド:排泄促進型、腎障害時は使用しない 7以上で高尿酸血症 NikolskyがあればTEN中毒性表皮壊死症 熱痙攣:NaCl不足による有痛性筋攣縮 気管支拡張症:体位ドレナージによる喀痰排出 ADL:日常生活動作 自己導尿は無菌ではない HOT:home oxygen therapy 筋肉注射:中殿筋、三角筋、吸収の悪い薬剤で 鼠径部は内側からVAN 脱水の初期輸液でKは禁忌、利尿を確認後に投与 乳酸:肝で代謝されHCO3→代謝アシドを補正 大量輸血:輸血液中のクエン酸が Caとキレート結合して低Ca血症 エステル型>アミド型で局麻のアレルギー反応 腰椎穿刺:3~4の間、針先は正中から やや頭側を向ける、1~2時間は安静 気胸:側胸部で肋骨上縁から挿入 心膜腔ドレナージ:鎖骨下縁左側と肋骨の間 関節腔穿刺:外側の上方から、大伏在を傷つけない 炎症相(直後~数日)→増殖相(数日~週) →瘢痕相(数週~数か月) PEG:胃瘻、瘻孔は抜去後1日で自然閉鎖 膀胱穿刺:恥骨から2~3横指上の所 モルヒネによるOddi括約筋の収縮 脳死に類似の症状(低体温、急性薬物中毒、 代謝・内分泌障害)は移植から除外 行政:犯罪に関係のない異状死体 司法:犯罪調査 NSAIDs→リン酸コデイン→モルヒネの順 オピオイド:悪心、嘔吐、便秘、眠気、せん妄 地域連携クリティカルパス:複数の病院での 情報共有 高脂肪食で大腸癌、膵癌、乳癌 適度な飲酒:1日純アルコール20g キューブラー=ロスの死の受容: 否認―怒り―取引―抑うつ―受容 糖尿病の自律神経障害により下痢・便秘 腎性乏尿:尿細管壊死によるものが最多 遷延性排尿:排尿しようとして出るまでが長い てんかん発作後に妄想、幻覚 数時間~数日後に消失 群発頭痛:一側眼窩周囲の拍動性疼痛 緊張性:持続性、被帽性頭痛、 後頭部、項部、夕方 左鎖骨上部:静脈角→Virchow転移 尿毒症で皮下組織石灰化による掻痒 突発性発疹:解熱と同時に丘状皮疹 汎発性帯状疱疹:免疫不全、悪性腫瘍に合併 PBC:横断に先行して皮膚掻痒 妊娠末期の妊婦50%が鉄欠乏 妊娠高血圧リスク:20歳未満、40歳以上、初産、 妊娠高血圧の既往、双胎、胞状奇胎 全妊娠の10%、20週以降~分娩後12週まで メチルドパ、ヒドララジン、硫酸Mg 体外受精・胚移植(IVF-ET)でOHSS、多胎 卵巣過剰刺激症候群OHSS:腹腔の血管透過性亢進 血液量減少で腎前性腎不全、血液濃縮 切迫早産:少量の褐色帯下 第一期:開始~子宮口全開大 第二期:~胎児娩出、第三期:~胎盤娩出 産褥期に血栓塞栓症が最多 産褥出血は弛緩出血が最多 赤―褐―黄―白と悪露の変化 新生児低血糖:交感神経症状(-)、無呼吸、 チアノーゼ、嗜眠、痙攣